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実はWEBライターは圧倒的に人が足りない売り手市場

現在観測 第32回

 

 手前味噌だが、筆者のケースを話そう。筆者は大学3年生の就活シーズンのときに、「世界一即戦力な男・菊池良から新卒採用担当のキミへ」というWebサイトを作った。
 これは一就活生が「世界一即戦力な男」だと言い張って、企業からの内定のオファーを募集するという「逆就活」サイトだ。
 このサイトがネット上で話題になり、Facebookでのシェアは2万以上になった。それによって実際にオファーがいくつか届き、Web制作会社に入ってライターとなった。今は大手IT企業に転職し、ライターに加えてWeb編集者もやっている。

 このようにWeb上で話題になるものが作れれば、向こうからアプローチをかけてくるというのはいくらでもある。

■売り込みは……あまりオススメしません

 ところで、そんな過程を踏まなくても、メディアで募集をかけているのだから応募すればいいじゃないか、と思う人もいるだろう。
 だが、自分から売り込みに行くのはあまりオススメしない。記事を書くのにも技術がいる。自分から売り込みをし、実力不足だと判断されたら、そのメディアとはもう仕事ができないと考えた方がいい。
 なので、個人ブログをやって練習しておいた方がいい。あらゆるWeb編集者が「新しい書き手はいないか」と探している中で、「うちで書きませんか」と声がかからないということは、それはまだ実力不足ってことだ。その実力が付くまでブログをやり続けるのは悪くないと思う。下手に自分を売り込んで「書けない人」というレッテルが貼られると、それを払拭するのは難しい。それに、実力が足りないのにライターになったとして、良い記事が書けなくて苦労するのは自分だ。

■「食う」ことはけっこうたいへん

 さて、この記事のテーマは「食えるライターになるには」だ。
 Webメディアから仕事が来るようになったとして、原稿料だけで食えるのかというと……答えはNOだ。
 メディアによって予算はバラバラなので、一概には言えないが、仮に1記事が1本1万だとしよう。すると、ひと月で20万稼ぐとして、1ヶ月に20本書かなきゃいけない。
 「それぐらいなら……」と感じただろうか? 取材と写真撮影、執筆、ブログシステムへの入稿、媒体に合わせた文字装飾、写真の加工、文章の推敲……これらを1日でやり切るのはなかなかに難しい。それに加えて日々ネタを考えなきゃいけない。継続的に仕事が取れるのかという問題もある。

 個人的な感覚だが、取材も何もいらない記事を除けば、1人の人間が書ける記事は週に2、3本が限界だと思う。
 それ以上やれば体力が限界を迎えるか、記事のクオリティが落ちるか、おそらくどちらかがやってくる。そうなると仕事はできなくなっていくだろう。
 

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菊池 良

きくち りょう

ライター、Web編集者。大学在学中に作ったWebサイト「世界一即戦力な男」をきっかけにWeb制作会社に就職。現在は大手IT企業に転職し、ライターとWeb編集者を兼務。

 


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